表彰事業
表彰事業
令和6年度表彰事業の受賞者、受賞団体は下記の通りです。
優秀経営者賞
東泉 清寿 氏(株式会社トーセン 代表取締役)
東泉氏は、矢板市にて国産材の生産量では国内トップクラスを誇る製材業を中心に、木質バイオマス事業、山林活用業務を展開する株式会社トーセンの代表取締役を務めている。
同氏は、製材所を中心とした50㎞経済圏構想である「エネルフォーレ50」を掲げ、森林資源を活用した製材だけではなく、森林未利用材及び製材端材等を活用したバイオマス発電所による売電や、バイオマスボイラーによる熱エネルギーを工業・農業・養殖事業といった地域産業へ供給するなど、森林資源を起点に自立した循環型のビジネスモデル確立を目指している。
また、長年地域の課題となっていた旧シャープ栃木工場跡地を活用した「デカーレ矢板」では、国内産住宅建材の製材を行う工場を設立し、地域材の需要拡大を推進。脱炭素+地方創生をテーマに、製材端材を利用したバイオマス熱利用事業や、理念に賛同した企業の誘致による雇用の創出など、「エネルフォーレ50」構想で掲げた循環型ビジネスモデルを展開している。
優秀起業家賞
森西 淳 氏(AeroEdge株式会社 代表取締役社長兼執行役員CEO)
森西氏は、航空機エンジン部品の製造を行うAeroEdge株式会社の代表取締役社長兼執行役員CEOを務めている。
同社は、高い加工精度の求められる航空機産業において、加工難易度の高い新素材「チタンアルミ合金」の加工技術を確立するなど、世界でも有数の技術力を有し、仏Airbus社や米Boeing社の航空機に搭載される次世代航空機エンジンに使用されるタービンブレード製造の長期供給契約を実現している。この高い技術力は、「栃木の先端ものづくり」として教科書にも掲載されている。
また、「とちぎ航空産業振興協議会」の会員企業として次世代の人材育成に取り組み、官民一体プログラムである「航空宇宙産業人材育成プログラム」に参画するなど、栃木県が重点戦略産業と位置付ける航空宇宙産業の発展に大きく貢献している。
社会貢献活動賞
特定非営利活動法人CCV
特定非営利活動法人CCVは、発達障害を持つ方々の支援を目的とし、教育事業や障害福祉サービスを展開する団体である。平成21年に設立され、令和5年度には年間15,000名を支援するなど、地域社会への貢献が顕著である。
教育事業では、鹿沼市からの委託事業である子どもの学習支援に加え、不登校や引きこもりの若者を支えるフリースクール、そして全国初の試みである発達障害者運転免許取得支援事業を展開。さらに、学校に代わる児童発達支援や放課後等デイサービスも提供し、子どもたちの成長を力強く後押ししている。一方、障害福祉サービスにおいては、就労継続支援B型をはじめ、就労移行支援、自立訓練、生活訓練などを展開。生活介護や日中一時支援、介護サービス包括型共同生活援助といった、きめ細かな支援を通じて、利用者の自立と社会参加を促進している。
また、地域との連携も積極的に行っており、市内のゲストハウスと協力し、見学やボランティアのために県外から訪れた人々に宿泊場所を提供することで、栃木県への移住を促進するユニークな試みも展開している。
美しいまちづくり賞
真岡まちづくりプロジェクト「まちをつくろう」
真岡まちづくりプロジェクト「まちをつくろう」は、令和3年に真岡市で初めての官民連携、市民協働によるまちづくりを目指すプロジェクトとして活動開始。高校生や大学生が地域の大人と共に社会実験を行い、中心市街地の活性化を図っている。
これまで、五行川河川緑地でのマルシェ開催や、小中学生への学習支援「寺子屋」など、さまざまな社会実験を実施。さらに令和5年度からは、市民や他団体を支援する「まちつくクロス」事業を開始し、活動の幅を広げている。
学生の斬新なアイデアと地域の大人の協力が融合し、新しい形のまちづくりを実現しており、また、活動を見た市民が自主的に企画を立ち上げるなど、地域全体のまちづくり意識を高める原動力となっている。さらに、社会実験の収益を真岡市に寄付し、次年度の活動資金としており、持続可能な発展が期待できる仕組みも確立している。
こうした取り組みが評価され、令和6年度総務省主催「ふるさとづくり大賞」では優秀賞を受賞。今後も、真岡に住みたい・働きたい・子育てしたいと思える魅力的なまちづくりを目指している。